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【開催報告】産婦人科医が語る、今知っておきたい女性の健康と社会課題  ~月経困難症やプレコンセプションケアの最前線から考える~

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2026年3月12日、TXP Medical株式会社は、山梨大学の吉野修教授と、ふじ産婦人科・内科院長の藤嶋明子先生をお招きし、「女性の健康」をテーマにしたウェビナーを開催いたしました 。
当日は、医学的な視点から「月経困難症」や「プレコンセプションケア」の最前線を解説いただくとともに、それがどのように社会課題や企業の生産性に関わっているのか、深い議論が行われました。

■ 講演ハイライト

1. 月経困難症の問題と課題(山梨大学 産婦人科 教授 吉野 修 先生)

吉野先生からは、下記のようなご講演をいただきました。

  • 月経回数の増加とリスク: 昔の女性の生涯月経回数が約50回だったのに対し、現代女性は約450回に達している 。この増加が、月経困難症や子宮内膜症のリスクを増大させている。

  • 「我慢」がもたらす損失: 月経痛による生産性損失は、一人当たり年間約36万円にのぼるという試算がある 。しかし、多くの女性が「自分の症状は病気ではない」と耐えてしまい、通院に至っていない現状がある。

  • 低用量ピル(Low dose Estrogen Progestin:LEP)等によるコントロール: LEPは卵巣や子宮を休ませることで月経痛を約1/3に軽減し、労働生産性を改善する効果がある 。また、長期間の使用は将来の子宮内膜症や不妊症の予防にもつながることが推察できる。現代はLEPをはじめ、さまざまな治療選択肢がある。

2. 今日から始めるプレコンセプションケア(ふじ産婦人科・内科 院長 藤嶋 明子 先生)

藤嶋先生からは、下記のようなご講演をいただきました。

  • プレコンセプションケアの定義: 将来の妊娠を考える・考えないに関わらず、すべての人が自分自身の今の健康状態を正しく知り、行動することである。プレコンセプションケアは、あらゆる性別、あらゆる世代に関係する、「予防医療」である。

  • 社会全体への影響: 日本では不妊に悩み通院するカップルが増加しており、4.4組に1組が経験している。女性の不調による離職や生産性低下を防ぐことは、労働力不足や経済低迷といった深刻な社会課題の解決に直結する。

  • まずは「自分の普通」を疑うことから: なかなか自分の状態を客観的に表現できる人は多くない。また、アンケートの結果、約82%の女性が何らかの月経異常を抱えている。例えば、月経痛で日常生活に支障がある、あるいは1〜2時間でナプキンを交換するような状態は「受診を検討すべきサイン」である。

■ パネルディスカッション:社会・企業が取り組むべきこと

後半のディスカッションでは、弊社医師の佐藤も交え、具体的なアクションについて議論しました。

  • 「自分事化」への一歩: まずは自身の状態や周囲の状態を、「見える化すること」「客観的に把握すること」が重要である。

  • 企業の役割: 企業ができる最初の一歩は、社員が、月経困難症やプレコンセプションケアの概念/意義を知るためのセミナーを開催するなど、教育の機会を提供することである。そこから、相談しやすい環境作りや具体的な支援サービスの導入へとつなげていくことが期待される。

  • 専門医の視点:現代では、「月経はコントロールできるもの」であり、そのための選択肢が複数ある。痛みや不調を「仕方のないもの」として我慢する必要はなく、生活の質(QOL)を上げるために、学生時代からでもLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)などの適切なケアを積極的に選んでほしい。そのためには、周囲の理解や知識も必要であり、また、気軽に産婦人科を受診してほしい。

最後に、講演とディスカッションとは独立した内容として、TXP Medicalの取り組みをご紹介しました。TXP Medicalでは患者支援アプリ「ありがとうサポート」を提供しており、「月経に関するセルフ記録機能」を新たに搭載しました。個人の健康増進、企業の健康経営のサポートに取り組んでいます。基本機能は無料でどなたでも利用可能であり、また、企業や自治体での導入を想定したアドホック分析サービスも提供しています。

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「ありがとうサポート」に『月経に関するセルフ記録機能』を新搭載 〜約900万人が抱える月経困難症のQOL改善に向けて〜
service.arigatou-support.jp/news/posts/s8SM6rYP

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